平素よりレクロイ社のシリアル・データ・アナライザをご愛顧いただき、ありがとうございます。
この度、今お使いいただいているSDAから高度なシリアル・データ解析機能を持つSDA IIへの無償移行プログラムを設定いたしましたのでご案内申し上げます。
ご愛顧いただいておりますSDAは、2002年10月1日に業界初のリアルタイム・オシロスコープ・ベース、シリアル・データ解析ソフトウェアとして市場に投入され、多くのユーザーの方々の支持を受けてまいりました。また、ロングメモリを活かして捕捉したデータ信号を高度なソフトウェアを用いてアイパターン解析およびジッタ解析を行う手法は、その後他社から発表された同種のプログラムの基本的構造となっています。
SDAを発表し、多くのお客さまからのご要望にお答えしながら、長年に渡り蓄積してまいりましたシリアル・データ解析のノウハウを活かし、 さらに高度な解析を実現するSDA IIを開発し、2008年10月7日に発表いたしました。 SDAとSDA IIとの主な差異は以下の通りです。
a. ジッタ成分分離アルゴリズム
SDA: Direct法、Effective法、MJSQ法
SDA II: Spectrum法、N-Qスケール法
Spectrum法:
SDAのDirect法と同様にDjの個別成分であるDCD、ISI、Pjなどを個々に計測してRj成分との分離を行う手法(一部ASDA-Jオプションが必要)ですが、DjとRjの成分分離手法が異なります。SDAと同様に繰り返しパターンの場合にはN-Cycle法、非繰り返しパターンの場合にはISI Plot法を用いてISIジッタ計測を行っていますが、SDA IIのSpectrum法では得られたISIジッタを差し引いた残りのジッタ成分からPj成分とRj成分の分離を周波数軸上で行います。SDAのDirect法では、TjからDj成分を数学的に引いてRj成分を分離しています。SDA IIのSpectrum法では、周波数軸上で成分分離を行う他社ソリューションによるジッタ解析結果とより高い相関が得られます。
N-Qスケール法:
SDAのEffective法と同様にTIEジッタのヒストグラムの形状からRjとDjをカーブフィッティングにより推定する手法ですが、SDAのEffective法の場合には、ガウシャン分布が縦軸を対数にすると二次曲線になることを利用した二次曲線フィッティングを用いているのに対して、N-Qスケール法では、ガウシャン分布がQスケールにすると直線になることを利用した直線フィッティングを用いているのが異なります。また、SDA IIで直線フィッティングをかけるジッタ・ヒストグラムは、ISI成分を引き算した残りのジッタ成分なのでRj成分が支配的なため一般的にはフィッティング精度が高くなります。クロストークの影響が強い場合などSpectrum法ではRjの計測値が不正確になる可能性のある条件下でもクロストークの影響を受けずに安定的に計測を行うことができます。
このように、SDA IIのSpectrum法はSDAのDirect法と、SDA IIのN-Qスケール法は、SDAのEffective法とジッタ成分分離法として似通った手法を用いているので相関が得られるますが、まったく同じ手法ではないので条件によっては、測定値にある程度の差異が生じる場合があります。
b. SDA IIにおける追加機能 ジッタスペクトラム:
SDAでも演算機能などと組み合わせることで得られたジッタ・スペクトラムを簡単に表示することのできる機能が追加されています。またジッタ・スペクトラムでピークにラベル表示することや、Rj成分分離のスレッショールド・レベルを確認したりすることができます。
Pjの逆FFT:
周波数軸上で捕えられたPj成分だけを逆FFTして時間軸波形に戻す機能が追加されています。これによりPjを直感的に捕えることができます。
IsoBER:
描かれたアイパターンを元に、特定のビットエラーレイトにおけるアイの開口度を推定して表示する機能です。この推定方法はジッタ計測におけるトータル・ジッタの推定アルゴリズムと同様の手法を用い、横軸方向(ジッタ)だけでなく縦軸方向(ノイズ)および、斜め方向にも適用して低いビット・エラーにおけるアイの開口を求めてアイパターン試験の定量性を高めることができます。また、クロストークのような非常に微妙な影響を発見する手助けとなります。
SDA IIでは、信号の流れ図に従ったブロック図形式のメニューになっていますので、設定が直感的に行うことができます。 入力信号として、差動信号1入力だけでなく、シングルエンド信号2入力にも対応していますので、演算機能を設定することなく差動シリアル・データ解析が簡単に行えます。 また、アイパターン、ジッタヒストグラム、バスタブカーブ、ジッタスペクトラムなどのグラフやジッタ・パラメータなどが各々対応したチェックボックスにより必要な項目を選択して表示することができるようになっています。
EyeWidthやEyeHeightなどのアイパターン・パラメータとTj、Dj、Rjなどのジッタ・パラメータは、それぞれ個別の表示エリアを持っていて、通常の波形パラメータとは別に表示されるので、数多くのパラメータを同時に表示することができます。
アイパターンの1UIの幅が、SDAの場合の8グリッドから6グリッドに変更されています。また、マスクを含めて表示分解能が高くなっているので、より滑らかな表示ができるようになっています。グリッドの分割方式が追加されているので、より柔軟に用途に応じた波形表示が可能です。
|
【注意】 現在お使いいただいているSDAと比較して、SDA IIには、多くの追加された機能があり、 より詳細な解析が可能になるメリットがございます。また、 ソフトウェアの機能強化を含めたメンテナンスに関してはSDAは既に終了しており、 SDA IIのみが対象となることを考慮して、SDA IIへの移行をご提案させていただいております。 しかしながら、上記でご説明申し上げましたように、アルゴリズム上まったく同一ではないために、 条件によっては測定値に若干の差異が生じる場合がございます。すなわちSDAで取得したデータと、 SDAIIで取得したデータの相関を定義することはできないので、相関性を重要視するお客様にはこの提案を積極的にお勧めいたしません。 また、一旦SDA IIに移行した後、再びSDAに戻ることができません。 |
ジッタ計測プログラムは、大量のデータを元に計算を行うことが前提となっておりますので、プロセッサの処理能力によってはパワー不足を感じることが少なくありません。特にSDA IIでは機能強化した計算により、高い処理能力が求められ、以下のような環境をお奨めしております。
*対象モデル: WaveMaster 8000シリーズ(SDA, DDA)、WavePro 7000シリーズ(SDA,DDA)、SDA-DBIシリーズ(SDA9000/11000/13000/18000)
そこで、レクロイでは、SDA IIへのアップグレードに合わせて、製品の製造された時期の応じて以下のようなプロセッサのアップグレード・プログラムを推奨しております。
1. OSがWindows2000の場合
a). プロセッサがペンティアム3の場合
(対象モデル:WM8300/WM8500/WM8600, SDA6000, DDA5005/DDA5005A)
| 費用 | 635,000円 |
| 納期 | 3週間 |
| 主な内容 | 1) プロセッサ(CPU)交換(ペンティアム4へ) 2) プロセッサボード交換 3) 電源ユニット交換(ペンティアム4にするには電源数が足りないため) 4) 電源ケーブルアセンブリ交換 5) RAM増設 (2GBへ) 6) WindowsXPインストール及びHDDの書き換え |
b). プロセッサがCeleronの場合、またはプロセッサボードのチップセットが古い場合
| 費用 | 230,000 円 |
| 納期 | 2週間 |
| 主な内容 | 1) プロセッサ(CPU)交換(ペンティアム4へ) 2) プロセッサボード交換 3) RAM増設 (2GBへ) 4) WindowsXPインストール及びHDDの書き換え |
c) プロセッサがペンティアム4の場合
| 費用 | 50,000 円 |
| 納期 | 2週間 |
| 主な内容 | Windows XPインストール及びHDDの書き換え |
2. OSがWindowsXPの場合
a). プロセッサメモリを2GBにアップグレード
| 費用 | 50,000 円 |
| 納期 | 1週間 |
| 主な内容 | RAM増設 (2GBへ) |
プロセッサ構成や、メモリ容量などオシロスコープの仕様に関するお問合せは、 以下サービスセンターまでお問い合わせください。
問合せ先:
〒183-0006
東京都府中市緑町3-11-5
芳文社府中ビル3F
レクロイ・ジャパン株式会社
サービスセンター
tel: 042-402-9401
e-mail: repair.jp@lecroy.com